リトルカブ日記(その3:アンチリフト化)

2022年3月~8月までノーマルのリトルカブでラウンドツーリングを参加しました。ノーマルの50ccでは非力でみんなに着いて行くのは難しいですが、一人でトコトコ走ってポイントでみんなと合流して十分に楽しめました。5月のラウンドツーリングで筑波山付近の下り道の左コーナーでちょっとスピードが出すぎてしまい、コーナーリング中にフロントブレーキを掛けたらフロントの加重が抜けてちょっと怖い思いをしました。リヤブレーキを掛けてフロントが浮き上がらない様に乗るのがカブ乗りなのでしょうが、コーナーを攻めている時に中々難しいです。ネットで色々検索していると初期のC100やC200、スーパーカブ50スーパーカスタムに装備されている『アンチリフト』という機能がフロントブレーキ掛けた時のフロントの浮き上がりを制御出来るようです。今回はリトルカブにこの『アンチリフト』を行います。

リトルカブをアンチリフト化するにあたり、オークションでスーパーカスタムのフロントブレーキとフロントブレーキトルクロッドを落札。その後、フロントフォークの取り付けの為、スーパーカスタムのフロントフォークも落札しました。

アンチリフト化も田中さんに依頼しました。ノーマルのフロントブレーキパネルです。スポークも錆が目立ちます。

田中さんは位置決めの為にスーパーカスタムのブレーキパネルに取り替え、フロントブレーキトルクロッドを仮取り付けてしてもらい、撮影してくれました。

 

リトルカブのリムが14インチなので、アンチリフトを取り付けるとトルクロッドのボルトがリムに当たってしまいます。リムに当たらない様にロッドを固定する場所をフロントフォークの下側に移動すると、ボトムリンクアームとトルクロッドが平行になりません。

アンチリフトの構造を理解出来ず、ボトムリンクアームとトルクロッドの位置による動きの違いが分からなかったので、段ボールとハトメを使ってサンプルを作成しました。

画像はボトムリンクアームとトルクロッドが『平行の時のイメージです。

サスペンションが伸びている場合と、ボトムしている時のアンチリフトの動きになります。

アンチリフト機能は走行時はサスペンションの動きに影響が無く、ブレーキング時のみ機能するようです。

画像はボトムリンクアームとトルクロッドが『交差』(平行ではないの時のイメージです。

サスペンションを動かしてみるとハトメの部分(赤丸の箇所)に負荷がかかり、スムーズに動きませんでした。

結論としてはリトルカブの14インチのリムの内側にアンチリフトを設置しても、サスペンションの動きに影響がでてしまうのでNGになります。

田中さんにLINEで確認したところ、『アンチリフトロッドをフォークの内側に通すなら、フロントフォークのリブを削るか、リンクを延長するか加工が必要』との返事を頂いたので、内側にロッドを通すのは諦めて、フォークの外側にアンチリフトロッドを通すのはどうかと提案しました。画像はイメージを伝える為にアンチリフトロッドをフォークの外側に手で押さえて撮影しました。

アンチリフトをフロントフォークの外側に設置した時の仮止めした写真です。ロッドの向き(左右)を変えて使います。ブレーキパネルとロッドの間にをボルトで留めてますが、25mm位のカラーを作成すれば、リトルカブでも、加工が少なくアンチリフト化出来そうです。アンチリフトのロッドがフロントフォークの外側に通るので転んだ時にロッドが曲がらないかとか考えましたが、ハンドルとタイヤに守られて直接ロッドにダメージを与えることはなさそうです。

リトルのアンチリフト化はこの方向で進めます。

アンチリフト化する上で、ボルトとナットも色々検討する必要がありました。

田中さんからはブレーキパネルとロッドを留めるボルトはブレーキパネルに取付たとき、ボルトが空回りしない様にボルトの頭は17ミリで強度のあるボルトが必要との連絡があり、ホームセンターで販売しているボルトだと強度的に問題と、ボルトの頭が14ミリしか無かったようでした。ネットで調べたところ、ボルトには「強度区分」ってのが有るようで、普通に売っているボルトは『強度区分4.8』みたいです。ブレーキキャリパーのボルトは『強度区分8.8』位を使っているみたいでした。リンクのボルトは『強度区分8.8』以上のボルトを使用したいと思います。インターネットで検索するとネジのミトモリ』で使えそうなボルトがあったので、注文しました。正確なボルトの長さが分からなかったので、長さ60-70mmのM10のボルトを数種類購入しました。

ネジのスペックは下記の通りです。

M10 60、65、70mm 強度区分10.9

ピッチ1.25 全ネジ

ボルトの頭17ミリ

今回は60mmのボルトを使用しました。

 あと、純正のボルトだとロックピンを通す穴があるのですが、注文したボルトには穴がありません。
ナットが緩んでロッドが外れるとブレーキが効かなくなりますので危険です。
今回はフランジ付きUナットを使いました。
フロントフォークにステーの溶接、カラーの作成取付は全て田中さんにお任せ。
ちなみにカラーはネジがきっており、ブレーキパネルに共止めされてますので、ボルトが強固に固定されているので、純正のボルトより長いボルトを使ってますが安心出来ます。

とりあえず、リトルのアンチリフト化は完了しました。加工内容は下記の通りです。

1.フロントフォークにアンチリフトロッドを留めるステーの溶接。

2.ブレーキパネルとロッドの間にカラーを作成

3.高強度のボルトの購入、緩み止めのナット購入

アンチリフトロッドは無加工なので補修時、純正部品を使えるので良かったと思います。

田中さん。アンチリフト化の作業、家までリトルを運んで頂いてありがとうございました。