2021SuperRoundRally Vol.2

2日目

朝5時ごろ目が覚めると、昨日からの軽い頭痛がそのまま残っていることで陰鬱な気分になった。

ラリー中の朝は早い、いつまでも寝ているのが惜しいので外に出ると、既にバイクに乗って走りまわる人、今日の競技に向けてバイクの整備をする人それぞれ

私もベスパの始動を試みると、あっけなくエンジンがかかり、いくらか気分が楽になった。

朝食を終えてコーヒータイム、さて今日はどんな走りをしましょうか??

恒例の2日目朝の記念写真を撮影。

例年はマイヨジョーヌは黄色のTシャツで記念撮影に参加するが、1日目の結果発表が延期となったため今回は無し。

一区目、私はフロントオフィシャル。

一緒に走るのはモトグッチにドカティ、イタリア三銃士だ。

毎年非力なバイクになるべく負荷をかけないようにとウエイトコントロールをするのだが、今年の減量は完全に失敗に終わった。

2日目ともなると流石に初日のスタート時ほどの緊張はないが、何が起きるかわからないのがラリー。無茶をしないでバイクを壊さないように走ることを常に念頭に置いた。

先行オフィシャル午前8時にスタート、2日目が始まった。

しかし力み過ぎた私はスタートするなりいきなりエンスト!!

まったく、、幸先良い事この上ない、、、。

宿から出発して県道210号鳥海ブルーラインをひたすら北上。

鳥海山からの一望はとにかく素晴らしい、競技者だったらのんびり走って、止まって写真でも撮るところだが、オフィシャルなのでそれができない。

ラリーは競技なのでどうしても観光の要素が希薄になる。

走行中目にする素晴らしい景色の数々は、そのほとんどが走りながら楽しむ以外無いのである。

はたしてスタートで出遅れた私は先の2人に追いつこうと必死に走ったが、ポイントに到着するまで2人の後ろ姿をチラとも見る事はなかった。

宿を出発して約53キロ1区ポイントは鳥海山ろく線「子吉」という駅。

駅舎だと思ったら郵便局だった、不思議な場所。 

山から下りてくると途端に凄まじい暑さと、のどの渇きに襲われる。

そして駅舎だと思ったらそこは郵便局だったという不思議な場所は、ついでに販売機らしきものも無いという、やっぱり少し変わった場所だった、喉を潤すのは次のポイントまでお預けである。

下界はまるで気温が違う、日陰を探して暫しの休憩。

さてもはやラリーでは標準装備となったバイクナビゲーションシステムを、他のライダー達がどの様にセットしているか見てみましょう。

セパハンのドカティはセットに制限があり昔は苦労しましたが、今は色々便利なものが販売されています。

ナビ2個付けは当たり前

此方も2個付け、詳細と広域表示で使い分ける事で、ミスコースを回避

コックピットを見るとそれぞれに最良の方法でナビゲーションを行っていることがわかります。

対してナビゲーションに頼らず、究極の状態でのラリー挑戦がギラギラさんのイエローデスモ、今回はギラギラじゃないドカで参加です。すごいですね~、完璧です。

これらの画像を見て、ムラムラ感じるものがあった方、そんなあなたはラリーに挑戦すべき方です。来年の挑戦をお待ちしています。

2区55キロ

駅をスタートして由利本荘市、市内を抜けてしばらく山間部を走行。

2区ポイントにて

コンビニでやっと水分補給。

3区の先行オフィシャルがスタート。

3台のドカティシングル、生産から既に50年が経過したバイク達。今となっては珍しいバイクでも、グルッポRSのイベントでは見慣れた光景です。

さてこの3台は一体どれくらいのペースで走るのでしょうか??

3区は47キロ昼食場所まで。

私は今回事前予習で撮影ポイントを細かくチェックしていましたが、第3区は国道101号沿いに巨大ななまはげが立っていて、それを撮り逃したのが今回のラリーでの心残りの一つ。

なまはげが見えてきたときには時すでに遅し、止まって撮影しても良かったのだが競技を優先することに。ここはポイントが昼食場所だったこともあり、結構皆さんペースを落として走っていたところ。

101号の直線では何台かの参加者と抜きつ抜かれつ、なまはげと一緒に撮れたらいい写真になったかもしれない、、、

昼食場所 秋田県男鹿市船越 和風レストランきりん亭にて

4区65キロ

昼食場所をスタートして寒風山を通過、ひたすら101号を北上

トラブルなく順調に競技が進む。

4区ポイント道の駅みねはまにて

そして次の5区はフロントオフィシャル。

約66キロ 左手に海を見ながらひたすら101号を北上。

5区のポイント青森県西津軽 海の見える駅「轟木駅」

大海原を背にポツンと単線の駅がある。

ああ、なんという景色だろう、、。

ここは、もっと離れた場所から写真を撮らないとダメですね。競技が始まってしばらく走ってもう一度駅を振り返った時「あっ!」と思いましたが後の祭り。まぁまた次回、納得のいく写真を撮りたいものです。

ちょっと非日常の景色を見る事が出来るのがラリーの、長距離ツーリングの醍醐味である。観光の要素がまるでないと書いたが、そんな事もないのだろう。

束の間素晴らしい景色に癒される、毎回コースを作ってくれる担当者に本当に感謝である。

6区44キロ最終区

この区間はラリーの風物詩とも言える通行止めに遭遇。

私はこの区間早めのスタートで調子に乗って飛ばしたので、10キロもいかないところでポイントが設置されており「あ~やられた!!」と思ったのだが、この場所から宿まで再度競技区間を設定するとの事で仕切り直しがされた。

改めて先行オフィシャルがスタート。

10分後に競技が再開した。

そして2日目は大きなトラブルなく無事に全員が本日の宿、青森県つがる富士見荘に到着した。

宿のすぐそばに日本で一番長い木造の三連太鼓橋「鶴の舞橋」がある、ポイントチェックを受けた後私はすぐさま橋を見に行った。

長さ300メートルの橋が津軽富士見湖の上に掛かる、素晴らしい眺め。

日が落ち始め富士見湖もなかなか幻想的だった。

2日目を終えてここまでの移動距離約800キロ、ドカティ勢は恒例のオイル交換を行う。私も合わせてベスパのギアオイルの交換を行なうことにした。

昨日I川さんの発案でナットを外したキックレバー、振動で完全に緩んでおり、少し力をくわえたら簡単に外れた。スプラインは見事に舐めていた。

実は今年がドカティでの初参加だったりする旅がらすさんとダイアナ

キャブレターの調整に少しばかり時間がかかっていた模様

さてこの日夕食後2日分の結果が発表されたが、それはそれは意外な結果が出ることになる。

1日目、1区と2区でトラブル続きで大きく出遅れた私のベスパは、4区と6区で区間賞を取り、7区でもしぶとく2位につけて、1日目の結果は区間賞2つとマイヨジョーヌを獲得。

2日目、区間賞こそ取れなかったが3区4区6区で2位につけ、2日目のマイヨジョーヌを獲得したのだ!ちなみに3区はもしなまはげ撮ってたら区間賞だったかもしれない、、、。

2日目の終了時点で暫定1位となり獲得ポイントは81、2位が64ポイントでその差、17ポイント!

2日目なのでまだまだ順位がひっくり返る可能性はあるが、私は、今まで夢想していたことが現実となり、いざそうなるとその状況に少々狼狽した。

区間賞2枚 マイヨジョーヌ2枚!

ラリーに挑戦すること14回、この時初めて絶対に優勝したいという気持ちがわいた。

結果はとても嬉しかったし信じられないものだったが、今まで味わったことのないプレッシャーと妙な緊張感に襲われた。

私は3日目の午前中3区間はトランポの運転なので、明日の3区間の結果が優勝に大きく作用するのだ。Vol.3へ